永遠のテクノ少年は楽器も「地産地消」

YMO、クラフトワーク、ヒューマンリーグ・・・若かったあの頃、憧れのテクノアーチストたちが弾いていたシンセサイザーはとても高価で僕らの手の届くものじゃなかった。そしてなにより弾きこなす腕もなかった・・・。
しかし、2010年の今、僕らはあの頃の音楽を、手軽に創ることが出来る。ヤマハ豊岡工場で生産されるTENORI-ON(テノリオン)は音楽の知識なしでも気軽に遊べる装置でありながら、
未知数の可能性を持つインターフェースだ。 (エコノワ創刊第2号掲載記事)

テクノ世代が待ち望んでいたカタチ

さかのぼること30数年前、イエローマジックオーケストラの登場は、独特の電子音とともに日本中の多感な少年少女に衝撃を与えた。テクノミュージックは、シンセサイザーという電子楽器を世に広めたが、当時はとても高価で一般家庭ではとても買えるものではなく、もし買えたとしても弾きこなすにはハードルが高く、レコードを聴きながら「いつか自分で演奏してみたい」と思った方も多いだろう。時は流れて現在、電子楽器の主流はノートパソコンになった。ソフトウェアをインストールするだけの手軽さは魅力だけど、パソコンのキーボードを叩くだけでは、演奏してる気分が出ない。かといって、手の届く価格となった憧れのシンセサイザーは、置く場所にも困るし、音楽の知識や技術がなくちゃ楽しめないことはあの頃から変わってない。そんな悩めるテクノ世代に薦めたいのが、2008年にヤマハがリリースしたTENORI-ON(テノリオン)だ。

楽譜が読めなくても曲が作れる

TENORI-ONTENORIONは、両手で持てる程の大きさの正方形で、前面にズラリと並んだ256個のLEDが印象的な機器だ。
「これが楽器?」と誰しもが思う見た目と同様、演奏方法も既存の楽器とは大きく異なる。簡単に言ってしまえば、直観的な操作で音楽が作れるのだ。楽譜が読めなくても、コード進行やリズムなどの音楽的知識がなくても、電源を入れて気の向くままLEDのボタンを押しているうちに、いつのまにかそれらしい曲が出来る。既存の楽器と違い、まったく練習をしなくても最初から作曲家気分を味わえるのが最大のポイントだ。

楽器との対話を楽しむ

演奏方法を簡単に説明すると、まず基本となる演奏モード(スコア・モード)で、前面に並んだ縦16個、横16個のLED を押して音を入力していく。LEDは縦方向が音階、横方向は左から右に流れる時間のなかでの、音の出るタイミング となっている。とりあえず適当にLEDボタンを押してみて、変だと思ったらもう一度押せば消えるので別のボタンを押してみたり、試行錯誤しながらフレーズが作れる。 この上に、別の演奏モードを重ねていく。256種類(うち3種類はユー ザーオリジナルで作成可能)もの多彩な音色(おんしょく)を使って、どんどん音を重ねていくと、不思議とだんだん本物っ ぽい曲になっていく。この感覚は、本物のミュージシャンになったようで、かなり楽しい。正直、時間を忘れてしまうほどハマる。音を重ねていくうちに、偶然、自分が意図したものと違う音の組み合わせでかっこいいフレーズを発見することが結構あり、まるでTENORI-ONと音のキャッチボールをしているかのような感覚を味わえる。言い方をかえれば、ジャムセッションをしているような感じだろうか。

TENORI-ONインテリアとして活用できるのも、既存の楽器にはない大きな特徴。時計モードにすれば演奏時以外にも美しいLED光で楽しめる。アラーム機能も内蔵。


生産は磐田市の豊岡工場

と、ここまで書いてきたが、実際に機器を演奏してみないと、TENORI-ONの面白さは伝えきれないのも事実だ。使っ て慣れれば慣れるほど、操作や曲作りが面白くなってきて、気付けば自分が想像できなかった未知の音楽世界が広がっている。大げさではなく、これまで既存の楽器の演奏をあきらめていた人でも、アーチストとしてデビューできるかもしれない。そんな可能性を秘めた新世代の音楽ツールは、なんと地元静岡県西部、磐田市のヤマハ豊岡工場で生産されている。ちょっと意外だ。

世界のトップアーチストが愛用

TENORI-ONは、2008年よりWEBサイトを通じ全世界発売されているのだが、多数のトップミュージシャンに愛用されている。リトルブーツや小山田圭吾(コーネリアス)がプロデュースしたオノ・ヨーコのアルバムでも使用されている。
なお昨年12月には、一部仕様の異なる廉価版が登場し、WEBサイトだけではなく、主要楽器店でも販売が開始された。是非、楽器店に足を運び、実際に触ってみることをお薦めしたい。

※ヤマハでは、今後デモンストレーションやワークショップも積極的に展開するそう。スケジュールは公式WEBサイトにて。 
http://www.yamaha.co.jp/tenori-on/


TENORI-ON

TNR-O(写真左)
TNR-O(テノリオン オレンジLED)は、オレンジ色の光を発する片面LEDで落ち着いて室内での演奏を楽しむことが出来るスタンダードモデル。フレームは軽量で清潔感のある白いプラスチック製。
実勢価格 69,800円

TNR-W(写真右)
TNR-W(テノリオン ホワイトLED)は、白い光を発する両面LEDで演奏をオーディエンスに見せることが出来るライブパフォーマンスに最適なモデル。フレームは強度と重厚感のあるマグネシウム製。
実勢価格 121,000円

※静岡県西部の展示・販売店は こちら→http://www.yamaha.co.jp/tenori-on/shops/#a06

TENORI-ONのお問い合わせは、
ヤマハ(株)お客様コミュニケーションセンターシンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口
ナビダイヤル(全国共通番号)0570-015-808(携帯電話・IP電話などからは 053-460-1666)
受付時間 月曜〜金曜 10:00〜18:00 / 土曜 10:00〜17:00(日曜・祝日・センター指定休日を除く)